「拳闘暗黒伝セスタス」「拳奴死闘伝セスタス」はローマ時代の物語である。
そこには当然ローマ皇帝が存在しているのだが、その周辺には皇帝以上に存在感を放つ強者達の姿があった。
それが『衛帝隊』である。
今回はネタバレありで、衛帝隊の人物紹介をしていきたいと思う。
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衛帝隊とは
衛帝隊とは今作品における架空の徒手格闘兵団(パンクラトス・レギオン)である。
クラウディウス帝が自分の身を守るために、当時コロシアムで無敵を誇った格闘家デミトリアスを身辺警護として雇ったのが始まりである。
格闘スタイルは違っているものの、それぞれが最強の名にふさわしい12名の格闘家達の事である。
一人目
アッティカのデミトリアス
衛帝隊隊長。皇帝の最も近い場所に控え、隊の指揮もとるが、自らも前線に立ち戦うことも多々ある。作中最強の男。400勝無敗の男。
主人公セスタスの師匠ザファルと過去に対戦をしたことがあり、その際ザファルの膝を関節技で破壊したものの、右目を拳によりつぶされる。その結果引き分けとなる。途中で試合が止められ、決着がつかなかったことには不満を持っているが、恨み言などは無く、ザファルには対等の勝負をした相手に対する特別な感情を抱いているようである。(変な意味ではない)
「セスタス」もう一人の主人公とも言うべき、ルスカの父親である。幼いルスカを母から取り上げ格闘の英才教育を受けさせていた。皇帝暗殺の危機が迫ったとき、背丈が似ていた、幼いルスカを影武者として馬車に乗せるなど冷酷な一面も持つ。(デミトリアスの妻はこの時、ルスカが重傷を負ったことが原因で精神を壊す)
若き日に闘技の師匠であるディノデイモスとまだ少年だったドライゼンと共に、闘技による成り上がりを目指し、ローマに出立、現在の地位を築いた。
ギリシャ王族であるらしいが詳しい事は不明。
セリフ
「ローマの闘技場で10勝をあげれば市民の注目を集められる
50勝すれば貴族も俺を放っては置くまい
100勝すれば皇帝さえ俺を無視できなくなり……
200勝で俺の名は帝国全土に知れ渡るはずだ!」(若き日のデミトリアス)
「粗相の駄賃に拳(こいつ)を馳走してくれるわぁ!」(息子のルスカの職務上の不手際に対して)
「いかなる武装 いかなる人数と敵対しようと
徒手にて完勝する!!それがッ……
徒手格闘兵団(パンクラトス・レギオン)の使命と識れッ!!!」(訓練生の前で剣闘士3人相手を完殺した後)
2人目
アルゴスのドライゼン
衛帝隊の副長。ルスカの兄貴分であり、デミトリアスの弟分。理知的な言葉遣いと人柄で闘いの中でも「吠えず猛らず牙を刺す。流水の如く静麗なる銀の師士」と表現されるようにしなやかな戦いをする。ルスカの事を公私ともに気にかけて見ている。
隊長であるデミトリアスにはっきりと意見できる数少ない人物である。
皇帝という大権力に仕えるという事の重要性をルスカに諭すこともあり、時に厳しく指導をすることもある。しかしそれは誰よりも、今まで衛帝隊を築き上げるためにどれだけの時間と労力が必要だったかを知っているからである。また、権力に仕えることの危うさも十分に考慮している。
帝国の闇の部分を知っているが、悪行は身を滅ぼすことを十分心得ており、皇帝に進言することもある。それだけに皇帝がソルレオンに暗殺を実行させたと知ったときは動揺を隠せなかった。
同僚のロクサーネとは恋仲にある。
セスタスが売買されそうになったとき、皇帝の命をうけ、救出に向かう。セスタスに闘技のセンスを感じ取っていた。
セリフ
「世継ぎを殺しバカ殿呼ばわりされたいのですか?
だいたい……
「獅子の仔殺し」では笑い話にもならないでしょう」(デミトリアスがルスカに引導を渡そうとしたとき)
「まさに獅子が如く 次代の獅子王よ 雄々しく覇道へ踏み出したか!!」(ルスカの完勝を見て)
「線は細いが光る素質は持っていたな
手元に置いてこの手で鍛えてみたいとも思ったよ」(ローマを後にしたセスタスの話になり)
3人目
アルカディアのロクサーネ
宮廷衛士・弐等衛士(三巻時点)。女性闘士。「拳奴死闘伝」の時点のセスタスよりやや高い身長なので女性としては大柄だろう。楽器の腕も達者で皇妃に楽器を聞かせたり、笛で様々な合図を隊に送ったりする役割も持っている。もちろん闘技の腕も一流である。ルスカが幼い頃からの知り合いで、皇帝の影武者となり重傷を負ったルスカを見た時にはデミトリアスを非難していた。
落ち着きがあり慈しみの深い性格をしており、拳奴として生きるセスタスを何かと気にかけている。セスタスが新天地に行く際にお守りとして赤いリボンを送る。
ルスカの将来に暗い陰を予感し、心配している。が、どちらかというとセスタスの方をより気にかけているように思える。
セリフ
「あの子がみすぼらしく見えないのは
黄金の魂を持っているからよ」(セスタスを評して)
4人目
ルスカ・アッティクス・デミトリアス
弐等衛士。デミトリアスの息子。ディノデイモスと入れ替わりで隊に入ったので衛帝隊は12名の入れ替わり制なのかもしれない。
セスタスとは2度拳を交えている。拳闘のルールで行った際にはセスタスに負けたが、なんでもありのルールであれば何度やってもルスカが勝利するとは師匠の言だ。実際に現時点の総合力ではルスカの方が圧倒的に上回っているだろう。
父親から身体能力と闘技の才能をしっかりと受け継いだ天才。今作品におけるもう一人の主人公ともいえる存在。セスタスとは身分の違いはあったものの親しみを感じていたが、拳奴の暴動により婚約者を失ってからは拳奴全てを憎む宣言をしている。
同じ年頃の衛帝隊員であるアドニスとカサンドーラと仲が良く、一緒にいる場面が多い。
皇妃であるオクタヴィアといつの間にかに惹かれあう。そのことが原因で皇帝の母、アグリッピーナに脅しをかけられるも悲痛な決意のもと打破する。
父親が原因で母の精神が壊れたことや、自分に対する独裁的な接し方からデミトリアスを憎んでいる。が、現在は表面的に見る限りでは、父親を理解し始めているようにも見える。
セリフ
「独裁者め……いつか殺してやる」(デミトリアスに拳の叱咤をうけて)
「決闘したのですね? 「不死隊」の隊長と!」(負傷して戻って来たデミトリアスを見て)
「もし今度逢う時は 間違いなく僕は君の敵だ!」(拳奴の暴動による婚約者の死の直後セスタスに対して)
セスタスと関わりがあった4人をあげた。
衛帝隊で初期からもっともよく出てきたのはこの四人だろう。
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